小脳出血から立ち直る

小脳出血なるものになってしまった。なった人でなければ理解できない色々に立ち向かいます。

38.今日の病院食

病院での食事にもメニュー表があります。

大概期待してはいないのですが、たまに嬉しいメニューが載っている時があります。

 

ただ、患者によって一品変更されたり、特別職だったりして、メニュー通りのものが食べられなかったりします。

私は食事制限を受けていないので基本的には何でも食べられるのですが、味全般が薄いので逆に食べるのに苦労しています。

食事の時はスタッフさんが結構大人数で患者さんを見守っています。

向かいで食事をしているおばあさんは、半空間無視という後遺症が脳梗塞後に残っていて、左側にある物が見えているんだけど認識できないという、言葉では説明しずらい症状があります。

左側に置いてあってもそれが箸と認識できず、一生懸命キョロキョロと箸を探しています。

 

滑稽に見えるのですが、本人にとっては笑い事ではありません。

以前は分かりもしなかったですが、その苦労などがわかるようになって来ています。

 

昔のことですが、嫁が妊婦だった時一緒に歩いていて、世の中には妊婦さんがこんなにいるんだと驚いたことを思い出しました。

自分の状況に合わせて目に飛び込んでくるもの、頭が認識する物が変わっているんでしょう。

 

人間は凄いと改めて感じます。私の広く浅い数々の障害もなくなっていってくれればいいんですが。

リハビリ頑張ろっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

37.病院に戻ってきました。

病院のベッドの上が落ち着きます。

持ってきた荷物をしまって、ナースセンターに戻ったことを伝えにいきます。

 

もうすぐ消灯時間なので持ってきた雑誌を読みます。

雑誌の活字がみずらくなってます。

 

年齢なりに老化も進んでいるでしょうから、老眼はしょうがないです。

入院してから急速に老化が進んだような気がします。

 

今度の外泊時に老眼眼を作らなきゃいけなくなっているみたいです。

 

食堂に行ってテレビを消灯まで見ます。

テレビを見ていても頭に入ってきません。ボーッとしています。

 

なんだか気力というものが薄れていっている気がします。

 

会社携帯をもってきています。社内メールは確認できるので来ているメールを確認しました。

 

急な発症から入院だったため、仕事はだいぶ混乱しているみたいです。

早く復職しなきゃという思いが強くなります。

 

ただ、今のうまく歩けない状況じゃ通勤無理だろうな。

 

ふー、困った。いろいろどうなるんだろう。先が暗いです。

 

 

36.身障者が自宅で過ごすことって

今回の外泊の前に、婦長さんから言われました。

自宅に戻って生活するのが一番のリハビリになりますよ。

このことばの意味が正確に理解できていませんでした。

一泊の外泊でしたが、家で生活していてやることすべて結構大変な思いをしました。

今まで想像もしてなかったのですが、床に座っている状態から立ち上がるのも大変です。

和室入り口のところの襖が4、50センチ開いていても、もっと大きく開いていないと通ることができません。

トイレの電気をつけようと、右人差し指で押そうとすると、手が震えて押しづらいです。

その他、いろいろ家の中での生活に不具合を感じました。

 

何だか病院に戻ることにホッとするようになってしまいました。

 

35.久しぶりの我が家の夕食

夕ご飯に何が食べたいかを嫁に聞かれました。

 

ちょと考えて、カツ丼にしてもらうことにしました。

 

ずっと朝晩病院食なので、味の濃いものに飢えています。

夕食のカツ丼と味噌汁は、胃に沁みるくらい美味しかったです。

 

病院食の味気なさはしょうがないと思っていますが、やはり物足りません。

間食にチョコレートや飴などを買ってしまうため、糖尿病になってしまうのではと心配していました。

 

ご飯は美味しいと思えることは幸せなんだろうなとしみじみ思いました。味覚は大丈夫みたいです。

同じ病室に胃ろうの手術をおこなっている方がいらっしゃいます。

 

嚥下という症状で口から食べ物を飲み込めない方は、直接胃に食べ物を送れるように胃までの管をつけるそうです。

「もしかしたら何か違うところがあるかもしれませんが、病気には素人なのでその場合は許してください」

 

この方達に比べたら、味わうことが出来ることは幸せです。

 

昔は考えたこともないようなことが、プチ幸せに感じることがあります。

 

良いことなのだろうか、悪いことなのだろうか。

34.家でくつろぐが---

久々の家風呂です。

 

相変わらず着ているものを脱ぐのが大変です。

 

病院の脱衣所には、これでもかというくらいに手摺があります。

当然ですが、我が家の風呂場には手摺がありません。

片足を上げてズボンを脱ぐのも、掴まるところがないため一苦労です。

いっそのこと寝ごろがって脱ごうかと思いましたが、そうする広さもありません。

仕方なしに洗濯機に掴まりながら何とか脱衣し、風呂場に入りました。

浴槽にお湯を溜めていなかったので、シャワーで髪を洗います。

 

以前のように髪を洗いますが、始終目が回っているような感じです。

これは気持ち悪いです。

 

一通り髪を洗って、体を洗ってから風呂を上がります。

 

うーん、病院の方が過ごしやすいです。

 なんとなく、家が落ち着きません。

 

困ったものだ。どーしたんだろ。

 

33.入院後初めての外泊

待ちに待った外泊です。

 

嫁さんにはなるべく早く迎えに来てとお願いし、10時ごろに迎えに来てもらいました。

 

病院から自宅までは車で15分くらいですが、嫁と昼飯を外食して帰ることにしました。

といっても食べたい物も特に思いつかなかったため、久々の回転寿司に行きました。

嫁とはいろいろ話すことがありすぎるくらいありますが、無言で食事を終えました。

 

約1ヶ月ぶりに自分の家に戻って来ました。

何となく落ち着きません。

近所を散歩したり、コンビニに行ったりしてると、夕方になって次女が高校から帰って来ました。

1ヶ月ぶりですが、もっと長らく会っていないような気がしたため、会話がありません。

病院のことなどいろいろと聞かれましたが、当たり障りのない答えしかできませんでした。

 

まぁ、一泊しかない自分の家なので、好きなことをして過ごします。

 

ますは家の風呂に入ります。

33. 入院1ヶ月後のカンファレンス

ここの病院では、月に1回カンファレンスが行われます。

私、嫁と、主治医、担当看護師、作業療法士、看護婦長さんが集まり、病状の経過報告が行われます。

私の脳出血での予後のリハビリについては、先ず順調に進んでいるらしいです。

今までのところで障害者手帳も必要ないでしょうとのことでした。

 

何とか自力で歩けるようになったし、病院食も殆ど食べることが出来ている。

どうしてもフラフラ感は残っているけど、これはしょうがないと自分でも思えている。

 

経過が良さそうなので、外泊を申し出た。

 

一応許可が下り、外泊が可能になった。といっても休日に自宅での外泊だけど。

これは嬉しかった。入院生活に不満は特に無いが、やはり窮屈感はある。

家に帰れれば、息抜きができる。好きなものが食べられる。

 

病院は手摺 がおあちこちに付けられていて、障害者にとって凄く生活がしやすい。

家では病院と同じようには過ごせないでしょうが、普段の環境に自分がどれだけ馴染めるのかは知りたいところである。

 

外泊が楽しみ。